椎間板ヘルニア

犬の椎間板ヘルニア治療と予防。経験したことまとめ

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犬の椎間板ヘルニア治療と予防。経験したことまとめ
  • 椎間板ヘルニアになったら手術しないといけないの?
  • 愛犬が椎間板ヘルニアになったらどうしよう
  • 治療にはどれくらいかかるの?

椎間板ヘルニアはダックスフンドがなりやすいことで有名ですが、経験したことがないと具体的な治療や対策はイメージがわきにくいのではないでしょうか?

わたしの愛犬は3歳のときに椎間板ヘルニアのグレード4になりました。

ダックスフンドの場合、椎間板ヘルニアは2~6歳の若齢でも発症しやすく、別の病気も併発すると死亡するリスクもある怖い病気です。

グレードが高いと治療しても麻痺が治らなかったり再発することもあり、一生付き合っていかないといけなくなります。

今回、椎間板ヘルニアを発症して経験した検査・治療から現在気をつけていることまでまとめました。

予防にも役立つので、参考にしてみてくださいね。

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椎間板ヘルニアは死亡するリスクがある

椎間板ヘルニアは死亡するリスクがある

椎間板ヘルニアの診断を受けたとき獣医師の先生から「椎間板ヘルニアには死亡リスクがある」と言われました。

わたしは手術・薬を飲んで治療し、完治しないかもしれないけど死ぬことはほとんどない病気だと思っていたので、亡くなる可能性が思っていたよりも高くショックでした。

椎間板ヘルニアになると脊髄軟化症になる可能性があります。

脊髄軟化症とは

脊髄軟化症は脊髄が柔らかくなり神経が壊死していく病気です。

背中から頭やお尻の方向に広がっていき、最終的に前足や呼吸器が麻痺して3日~7日で100%死に至ります

椎間板ヘルニアの3~6%に発症し、グレードが上がるほど発症するリスクが上がると言われています。

脊髄軟化症は治療方法はないため、発症するかどうかは運しだいになってしまいます。

椎間板ヘルニアでこんなに恐ろしい病気が併発する可能性があることを聞き不安でいっぱいになりました。

脊髄軟化症になるリスクを無くすためにも椎間板ヘルニアの予防は大切だと実感しました。

椎間板ヘルニアの検査・治療方針

椎間板ヘルニアの検査・治療方針

愛犬が歩けなくなってから病院でやった検査は3つあります。

  • レントゲン
  • CT
  • 脊髄造影

椎間板ヘルニアの診断や病変の場所を特定するための検査です。

レントゲン

椎間板ヘルニアを疑った時に一番最初にやった検査がレントゲンです。

レントゲンでは椎間板や脊髄が映らず、どの部分にどの程度のヘルニアが起こっているのかは分かりません

椎間板ヘルニア以外の病気の可能性を排除し、神経学的検査を合わせて考えるとおそらく椎間板ヘルニアだろうということでした。

ちなみに神経学的検査はこんな感じでした。

  • 歩行様子…両後肢麻痺
  • 深部痛覚…鈍い
  • 校門反射…鈍い
  • 背中の皮膚反射…鈍い

完全に感覚がなくなっているわけではないけど、ほぼない状態です。

この結果椎間板ヘルニアのグレード4と診断されました。

CT・脊髄造影

椎間板ヘルニアの検査と言えばMRIが良いと言われますが、わたしの近所にはMRIを取れる設備がなかったため、CTと脊髄造影で椎間板ヘルニアの場所と度合いを調べました。

以前は椎間板ヘルニア発症後48時間以内に手術しないと回復率が下がると言われていましたが、最新研究では時間が経ってからでも麻痺の具合が変わらないそうで、脊髄軟化症になっていないことが確認できる1週間後にCTを撮影し手術する予定になりました。

脊髄造影は腰から脊髄に造影剤を入れ脊髄のどこが圧迫されているのかを確認します。

造影剤が映らない部分がヘルニアを起こしている可能性がある場所です。

CT・脊髄造影の結果

  • 第12~13胸椎のヘルニア
  • 第13胸椎~第5腰椎の脊髄の腫れ
  • 何ヶ所か椎間板の石灰化している

この結果から今後の方針は「手術をしないで内科療法で治療する」に決まりました。

手術をしない理由は、脊髄が腫れていると脊髄軟化症を起こす可能性が高いからです。

ただ、脊髄液が透明だったので今のところ大丈夫だということでした。

しばらくは内科療法と絶対安静で治療をし、腫れが引いたら手術も検討することになりました。

椎間板ヘルニアの治療方法・期間

椎間板ヘルニアの治療方法・期間

今回、椎間板ヘルニアの治療のためにやったことは大きく2つあります。

  • 絶対安静(ケージレスト)
  • 内科療法

絶対安静(ケージレスト)

椎間板ヘルニアの治療では少しでも動くのがNGです。

そこで必要なのが絶対安静(ケージレスト)

よく言われる絶対安静はわんちゃんの大きさに合ったケージやクレートの中で生活し、トイレに出る以外は安静に過ごします。

しかし、これまで元気に走り回っていた3歳の子が絶対安静するのは無理でした。

人がいない部屋でもひとりでクレートの中にいると出たい気持ちが先行してしまい、クレートの中でクルクル回ったり鳴いてしまったり安静にできませんでした。

そこで、クレートから出してリードをつけて机の脚に縛っておくとびっくりするくらいおとなしくしていました。

色々なサイトを調べたところ、ほぼ全部のサイトでクレートの中で過ごすと書いてありましたが、その子の性格に合わせて絶対にクレートの中で過ごす必要もないんじゃないかなと思います。

絶対安静期間は1ヶ月でした。

もあ

グレード4ということもあり長めでした。

1ヶ月過ぎたら少しずつお散歩を再開し、リハビリをしていく予定です。

内科療法

内科療法で使った薬は次の3種類です。

  • ステロイド
  • ビタミンB
  • 脊髄の血液循環を良くする薬

ステロイドは炎症を抑える作用があります。

ステロイドは長期間使うと副作用の可能性もあるので2日に1回の短期間の服薬になりました。

ビタミンBは神経細胞の修復に役立つ栄養素です。

椎間板ヘルニアを発症すると処方されるビタミン剤ですね。

脊髄の血液循環を良くする薬は神経の血液循環を良くすることで麻痺や痛みを和らげる効果が期待できます。

これらの薬を1ヶ月飲みました。

絶対安静と薬を飲み続けたことで2週間経った頃にはふらふらと立ち上がるようになりました。

もあ

まだ散歩に行けるレベルではありませんがかなりの進歩でした。

▼ 他の詳しい治療法についてはこちらの記事でまとめています。

やっておきたかった予防2つ

やっておきたかった予防2つ

ダックスフンドは椎間板ヘルニアになりやすいから気をつけないといけない。

そんなことは分かっていましたが、健康な愛犬を見ているとついつい「まぁ大丈夫だろう」と思ってしまうことがありました。

ここでは恥ずかしながらわたしがやっておけば良かったと後悔したことを2つ紹介します。

段差やジャンプをさせない

段差は良くないのは当たり前かもしれません。

なるべくジャンプさせないように意識はしていましたが、やんちゃ盛りのわんこ相手に完全に防ぐことができませんでした。

最初は何とかして防ごうと試行錯誤していましたが、家族の協力も仰げず途中から諦めモードになっていた部分もあります。

先代の愛犬はジャンプをしていても椎間板ヘルニアにならなかったので、完全に油断していました。

椅子の上に飛び乗ったりごはん欲しさにジャンプしたり、柵を突き破って階段を登って行ってしまうこともありました。

椎間板ヘルニアになった様子を見て感じたのはジャンプだけでなく、段差をのぼるだけでも腰にかなりの負担がかかっていたんだということです。

歩けるまでに回復した今でも、4cmほどの段差でつまづくことがあります。

よくあるソファーへの階段も腰には良くないなぁと思うようになりました。

ハーネスを使う

ハーネスを使う

ハーネスを使うとお散歩でひっぱり防止になります。

これまで首輪を使っていましたが、首輪はコントロールがしにくくひっぱりやすくなります。

実際、ガンガン引っ張っていました。

首輪は首に負担がかかるだけでなく、強くひっぱることで腰にも負担がかかります

一方、ハーネスは力がかかる部分が分散されます。

胸全体が支えられる形になり、ひっぱらずにゆっくりと歩けるようになりました。

こんなに変わるなら、もっと早くハーネスに変えていればよかったと思いました。

▼ わたしが使っているハーネスはこちらです。

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椎間板ヘルニアになってから気をつけていること

椎間板ヘルニアになってから気をつけていること

椎間板ヘルニアを経験したことで気をつけていることは4つあります。

  • 段差は登らせない
  • 激しい運動をしない
  • 筋肉をつける
  • 関節に良い食べ物を取り入れる

段差は登らせない

小さな段差でも極力登らせないようにしています。

例えば、玄関の段差やひざの上に乗りたいときなど、これまでひょいっと登っていたところも抱っこで移動しています。

犬用ベッドもフチの段差を乗り越えるのが大変そうだったので、フラットなタイプに変えました。

▼ 実際に使っているペットベッド

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ストレスなく使えて気に入っているみたいです。

麻痺が治らなかったらこの高反発マットレスに変えようかと思っていましたが、今のところは普通のベッドで落ち着いています。

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一度ヘルニアになった子は高齢になると麻痺が悪化してくることが多いそうなので、その時はこちらのマットを購入する予定です。

激しい運動をしない

走ったり激しい運動をするのは腰に負担がかかります。

椎間板ヘルニアになってからはハーネスを使って散歩中の引っ張りをコントロールしたり、おもちゃで激しく遊ばないように気をつけるようになりました。

さらに、吠えることは全身を使うため大きな負担になります。

愛犬はもともとビビりな性格もあり、少しの物音に反応して吠えてしまう子なので吠えない練習も始めました

練習し始めて半年でこれまで反応していた物音に慣れて、少しずつ吠えなくなってきました。

もあ

地道ですが続けることで成果が出てきています。

しかし、まだまだ宅急便の音に吠えたり来客には強い反応が出るので、これからもトレーニングを継続していきます。

筋肉をつける

筋肉をつける

椎間板ヘルニアになったばかりの頃は絶対安静でしたが、症状が落ち着いてきたら筋肉をつけるための運動が必要になってきます。

激しい運動はNGなので、獣医師の先生からおすすめされたのがひたすら歩くこと

先生によると、毎日近くの山に往復2時間かけて散歩するおじいさんとダックスフンドがいて、その子とおじいさんは筋肉ムキムキで一度も椎間板ヘルニアにならなかったそうです。

それくらい筋肉をつけることは身体を支えるうえで大切なんだよと教えてくれました。

さすがに毎日2時間は散歩できないのですが、40分~1時間くらいは歩くようにしています。

ちなみに山道よりも平たんな道をひたすら歩く方がいいようです。

関節に良い食べ物を取り入れる

関節に良い食べ物を取り入れる

椎間板ヘルニアの治療を少しでもサポートしたいと思い、食事内容も見直しました。

椎間板ヘルニアは椎間板が飛び出て脊髄を圧迫する病気です。

椎間板を作っている主成分は水分、コラーゲン、プロテオグリカンで、椎間板を修復するには3つの成分を補ってあげるのが良いです。

そこで椎間板ヘルニアの再生に良いとされる栄養素が入っている食材を積極的に取り入れています。

例えば、鶏むね肉、ブロッコリー、アーモンドがあります。

  • 鶏むね肉…コラーゲン・プロテオグリカンの原料となるタンパク質が豊富
  • ブロッコリー…コラーゲンの元となるビタミンCが豊富
  • アーモンド…椎間板周りの血行を良くするビタミンEが豊富

どの食材もあげすぎには注意しないといけませんが、ドッグフードにトッピングするだけで簡単に取り入れられます。

もあ

手作り食は負担が大きすぎるので、手軽にできるトッピングから始めました。

▼ 椎間板ヘルニアの食事についてはこちらの記事で詳しく書いています。

サプリメントを使うのもいいですね。

わたしはモエギキャップをあげています。

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これまではアンチノールを使っていましたが、これから続けることも考えて少し安いモエギキャップに変えたところ効果は持続したままでした。

サプリメントをあげ始めてからふらつきが少し改善し、たまーにトイレにも自分で行くようになりました。

正直サプリメントの効果は期待していませんでしたが、少しでも楽に生活できるなら続けていこうと思います。

▼ モエギキャップとアンチノールの違いはこちらにまとめています。

現在の治療経過

現在の治療経過

治療を開始してから現在までの治療経過です。

日常の歩行はできるようになった

薬を飲み続けて2週間経った頃からフラフラと立ち上がるようになりました。

2週間は全く変わらず不安しかありませんでしたが、立とうとする意志が見え始めてからは希望に変わりました。

そこからは少しずつ良くなっていきましたが、お散歩できるくらい歩けるようになるまでは2ヶ月かかりました。

もあ

少し歩き方は心もとないですが、内科療法だけで歩けるようになったことは嬉しかったです。

排尿コントロールはできない

治療を経て歩けるようになりましたが、排尿のコントロールはできないままです。

椎間板ヘルニアになってからおしっこをトイレでできなくなっていたのですが、歩けるようになってからも元には戻りませんでした。

今はトイレに行きたくなるタイミングでトイレに連れていき、床をトントンして促すとやってくれるようになりました。

このやり方を教えてからはトイレの失敗が減ってうまく過ごせています。

再発の兆候もある

今回は手術をせずに歩けるくらいまで回復しましたが、再発の可能性はあります。

脊髄造影をしたときにヘルニアを起こしている場所以外に椎間板の石灰化が何ヶ所か見られました

椎間板の石灰化は今後ヘルニアを起こす可能性が高い場所です。

再発の兆候があるだけに無理な運動はしないように気をつけて生活していこうと思います。

椎間板ヘルニアで経験したことまとめ

椎間板ヘルニアで経験したことまとめ

椎間板ヘルニアの治療は初めてのことが多く精神的にもつらかったですが、愛犬のことを考えるいい経験になりました。

椎間板ヘルニアの診断検査

  • レントゲン
  • CT
  • 脊髄造影

レントゲンだけでは椎間板ヘルニアかどうかはっきりと分かりません。

レントゲンで椎間板ヘルニア以外の病気を除外してから、CT・脊髄造影、MRIを取るのが一般的です。

椎間板ヘルニアの治療

  • 絶対安静(ケージレスト)
  • 内科療法

椎間板ヘルニアグレード4でしたが、手術はせずに内科療法と絶対安静で過ごしました。

2週間たったころからフラフラと歩くようになり、2ヶ月したらお散歩に行けるようになりました。

日常生活で気をつけていること

  • 段差は登らせない
  • 激しい運動をしない
  • 筋肉をつける
  • 関節に良い食べ物を取り入れる

どれも基本的なことですが、徹底してやろうとすると意外と大変だったりします。

段差やジャンプをさせないことや激しい運動をしないためにハーネスを使うことは事前にできたことでもあり、もっと対策をしておくべきだったと後悔しています。

椎間板ヘルニアを再発させないためにも、腰に負担がかからないことを意識して生活していこうと思います。

  • この記事を書いた人

もあ

犬が大好きな元動物看護師。ペットフーディスト。ペットフードマナー検定合格。ホリスティックケアカウンセラー勉強中。 カニンヘン・ダックスフンドのくっきー(14歳)・もか(4歳)と楽しく暮らしています。犬を飼うときに知っておきたい知識や情報を発信しています。 ダックスフンドと暮らして分かった病気や経験についても載せているので参考にしてくださいね。

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